完了動名詞 having 知っておくべき〝時差〟!

完了動名詞 having 知っておくべき〝時差〟!

 

動名詞について文法書を読んでいる時に〝完了動名詞〟や〝動名詞having〟などというキーワードが目に飛び込んでくることがあります。高校の英文法の授業の時などで書き換え問題をする形でも出てきます。この書き換えを暗記しようとするとなかなか覚えるのは大変です。一見難しそうですが、原理が理解出来るとスムーズに理解出来ます。

 

今回は〝完了動名詞 having〟についてお伝えしたいと思います。

 

完了動名詞 havingが解ると以下の書き換え問題が出来ます!

完了動名詞 having2

・以下の書き換え問題に挑戦してみましょう!

 

A:I am proud that I was a teacher. (〝be proud of ~〟を使って書き換えて下さい。)

B:She admitted that she had told a lie. (動名詞を使って書き換えて下さい。)

C:He was ashamed that he had been late for the meeting.(〝be ashamed of~〟を使って書き換えて下さい。)

D:I regret that I stole the car.(動名詞を使って書き換えて下さい。)

 

 

 

完了動名詞 havingのポイント

 

完了動名詞havingのポイントは以下になります。

 

動名詞の基本(動名詞の形と位置の理解が不可欠

完了動名詞の形を覚える。

完了動名詞havingを使う理由を理解する。

完了動名詞havingが使われる位置

 

 

動名詞の基本は大丈夫?

完了動名詞 having3

 

完了動名詞を理解しようとしても、基礎的な動名詞の理解があやふやであれば理解することが出来ません。少なくとも以下の2点は理解しておくことが必要です。

 

動名詞の作り方と意味

動名詞を文の中で配置できる位置 (この中の動詞と前置詞の目的語の位置になります。)

 

 

完了動名詞の形

 

・動名詞の基本が理解出来ている方はまず、完了動名詞の形をシッカリ覚えて下さい。

 

完了動名詞の形は以下になります。

 

〝having + 過去分詞〟

 

 

完了動名詞 havingを使う理由を理解する。

完了動名詞 having4

 

 

完了動名詞havingを使いこなせるようになるには、理由を理解するのが一番の早道です。

〝完了動名詞havingを使う理由はhavingを使わなければ時間差を表現できないから〟という事になります。

 

書き換え問題にもなる文章ですが以下のように比較すると使う理由が明確になります。

 

A:He is proud of being a Formula1 driver.(彼はF1ドライバーであることを誇りに思う。)

B:He is proud that he is a Formula1 driver.(彼はF1ドライバーであることを誇りに思う。) 

 

A文では前置詞 of の目的語の位置で動名詞が使われていますが、〝誇りを持っている時間ゾーン〟と〝F1ドライバーである時間ゾーン〟は同じです。これはB文を見ると明白です。どちらもbe動詞はis です。〝完了動名詞 =having+過去分詞〟はこのように前後の時制が同じ場合には使う必要がありません。

 

ところが、以下のような文章を見ていくと、使う理由が明らかになります。

 

C:He is proud of having been a Formula 1 driver.(彼はF1ドライバーであったことを誇りに思う。)

D:He is proud that he was a Formula1 driver.(彼はF1ドライバーであったことを誇りに思う。) 

 

C文は 前置詞 of の目的語の位置で完了動名詞 having been が使われていますが、これは 誇りを持っている時間ゾーンは現在〟で〝F1ドライバーであった時間ゾーンは過去〟と時制のズレが生じている為です。完了動名詞havingはこのように文章の動詞の時間よりも更に古い内容を動名詞部分で表す必要があるために必要になる形です。

 

これはD文で見ると明らかです。動詞 iswas が使わており時間差が生じています。 C文を仮にhavingを使わず表した場合はA文の形になり意味が変わってしまいます。C文では時間の違いがあるためhavingが必要になります。

 

ちなみに時間差が発生する場合は以下のような場合でも起こります。

 

E:He was proud of having been a Formula1 driver.(彼はF1ドライバーであったことを誇りに思っていた。)

F:He was proud that he had been a Formula1 driver.(彼はF1ドライバーであったことを誇りに思っていた。

 

E文でも前置詞 ofの 目的語の位置で完了動名詞 having been が使われていますが、これは 誇りを持っていた時間ゾーンは過去〟で〝F1ドライバーであった時間ゾーンそれより前の大過去(=過去完了)〟と時制のズレが生じている為です。完了動名詞havingはこのように文章の動詞が過去形でその内容よりも更に古い内容を動名詞部分で表す必要がある場合にも必要になる形です。 

 

これはF文で見ると明らかです。動詞  was と had been が使わており、時間差が生じています。

 

余談ですが be proud ofの of をなぜ使うのか?とか、be proud that(※thatは接続詞のthatなのでthat以下に主語+動詞 という完全な文が来ます。) は何故このような形なのか?という質問を受けることがありますが、これはこういう物と覚えて使う方が悩まなくて良いでしょう。

 

完了動名詞 having 位置

完了動名詞 having5

 

・完了動名詞は、〝動詞の目的語〟と〝前置詞の目的語部分〟で生じます。

 

・He admitted having stolen her wallet.(彼は彼女の財布を盗んだことを認めました。)

 

※having~が動詞admitの目的語の位置で使わています。

※admitは動名詞のみを目的語に取る動詞の一つです。(megafepsを参照してみて下さい。)

 

・He is ashamed of having stolen her wallet.(彼は彼女の財布を盗んだことを恥じました。)

 

※having以下が前置詞ofの目的語の位置で使われています。

 

冒頭の問題の解説

完了動名詞 having6

 

 

A:I am proud that I was a teacher. (〝be proud of ~〟を使って書き換えて下さい。) の答えは・・・

〝I am proud of having been a teacher.〟(私は先生であったことを誇りに思う。)になります。

 

B:She admitted that she had told a lie. (動名詞を使って書き換えて下さい。)の答えは・・・

〝She admitted having told a lie.〟(彼女は嘘をついていたことを認めた。)になります。

※ admittedよりも更に古い時間になるので完了動名詞havingを使っています。

 

C:He was ashamed that he had been late for the meeting.(〝be ashamed of~〟を使って書き換えて下さい。)の答えは・・

〝He was ashamed of having been late for the meeting.〟(彼女会議に遅れたことを恥じていた。)

※was ashamed よりも古い時間になるので完了動名詞havingを使っています。

 

D:I regret that I stole the car.(動名詞を使って書き換えて下さい。)の答えは・・

〝Iregret having stolen the car.〟(私はその車を盗んだことを後悔しています。)

※regretよりも古い時間になるので完了動名詞havingを使っています。

 

 

重要文法用語まとめ

 

動名詞

・完了動名詞

前置詞の目的語の位置

接続詞 that

megafeps

 

とめ

 

いかがでしたか? 

 

文章の動詞よりも更に古い時間を表す場合に完了動名詞は必要になる。

という所がポイントです。

 

文法と文法のつながりを理解するために・・・・ 

 

名詞接続詞動名詞⇒完了動名詞と読んでみると、更に理解が深まると思います。