不定詞 意味上の主語4つのパターンを攻略!
英文を読んでいると〝It is difficult for him to speak Russian.〟のように不定詞の前に for が付く形が出てきます。
一方で〝It is wrong to tell a lie.〟のように同じ『形式主語』の文章でも不定詞の前にforが付かない形もあります。この二つの違いは『不定詞の意味上の主語』という文法項目と関係があります。
今回は『不定詞 意味上の主語』についてお伝えしたいと思います。
不定詞 意味上の主語がワカルと以下の英作が出来るようになります!
・以下の日本語を英訳してみて下さい。
1.彼らがこの試験に受かるのは可能です。
2.彼らは私がここで写真を撮ることを許可した。
3.この場所は私たちが旅をするにはあまりにも危険過ぎます。
4.この手荷物は彼女が一人で運ぶのに十分軽いです。
不定詞 意味上の主語のポイント
『不定詞意味上の主語』のポイントは以下になります。
・不定詞の意味上の主語がどのような時に必要になるか?
・不定詞の意味上の主語と関連がある文法項目は?
不定詞の意味上の主語とは?
・まず以下の英文を見て下さい。
1.I want to eat chocolate.
(私はチョコレートを食べたい。)
2.I want you to eat chocolate.
(私はあなたにチョコレートを食べて欲しい。)
1番の英文では to eat chocolateの前に何も付いていません。一方で・・
2番の英文では to eat chocolateの前に youが付いています。
なぜ〝不定詞の前に何かが付く場合〟と〝付かない場合〟があるのでしょうか?
1番の英文では 動詞 wantに対する主体はIです。そして、不定詞部分に対する主体もIです。
2番の英文では 動詞 wantに対する主体はIですが、不定詞部分に対する主体はあなた〝you〟です。
1番と2番では不定詞に対する主体が違います。
このように文章の本来の主語と(※上記2つの英文の場合はI)不定詞に対する主体(※1番の主体はIで2番の主体はyouです。)が違う時に 不定詞の意味上の主語を明らかにする必要があります。これは動名詞の意味上の主語と同じ考え方です。
『不定詞の意味上の主語を明らかにする場合』を簡単に攻略するには?
上記のように文章の本来の主語と不定詞に対する主体が違う時に不定詞の意味上の主語を明らかにする必要がありりますが、これをうまく攻略するにはコツがあります。
それは・・・ 〝どのような文法項目と不定詞の意味上の主語を明示する場合が関連してくるか?〟という事を頭に入れておくことです。
以下のような文法項目になります。
・形式主語
などになります。
以下に文法項目別に例文を例示したいと思います。
不定詞意味上の主語 『形式主語』の場合
・It is impossible for us to master French in such a short time.
(私たちがフランス語をそのような短期間で習得するのは不可能です。)
・ to master French in such a short timeに対する主体は us です。
・impossible に対する主体は to master French in such a short timeです。形式主語の形を取っている為、It のところにto master French in such a short timeが入り、これが主語になる為です。
※impossibleの 〝接頭辞 im〟 を理解すると英単語が2倍に増えます!
・It is kind of you to say so.
(あなたがそう言ってくれてくれて親切ですね。)
・to say so に対する主体は you です。
・kind に対する主体は to say soです。形式主語の形を取っている為、It のところにto say soが入り、これが主語になる為です。
上記2つような形式主語の文において不定詞に対する意味上の主語を明示する場合『 for 人』 と『 of 人』という2つのパターンがあります。
『for 人』 と 『of 人』で前置詞が違っていますが of を使う場合は前に来る形容詞が人の性質を表す言葉になります。
不定詞意味上の主語 『動詞 人 to do』
・I want them to study English every day.
(私は彼らに毎日英語を勉強して欲しい。)
・to study English everyday に対する主体は them です。
・want に対する主体は I です。
不定詞意味上の主語 『too to 構文』
・She speaks too quickly for us to understand.
(彼女はあまりにも早く話すので私たちが理解することは難しかった。)
・to understandに対する主体は us です。
・speaks に対する主体は Sheです。
不定詞意味上の主語 『enough to do 構文』
・This book is easy enough for her to read.
(この本は彼女が読むには十分にやさしい。)
・to read に対する主体は her です。
・easy に対する主体は This book です。
冒頭の問題の解説
・冒頭の問題解説です。
1番の問題〝彼らがこの試験に受かるのは可能です。〟ですが・・・
答えは「It is possible for them to pass this exam.」になります。
・形式主語を使っています。
・to pass this exam に対する主体はthemです。文章の本来の主語と不定詞に対する主体は一致していないのでthemが必要になります。
2番の問題〝彼らは私がここで写真を撮ることを許可した。〟ですが・・・
答えは「They allowed me to take a picture here.」になります。
・動詞 人 to doを使っています。
・allowに対する主体はmeです。文章の本来の主語と不定詞に対する主体は一致していないので が必要になります。
3番の問題〝この場所は私たちが旅をするにはあまりにも危険過ぎます。〟ですが・・・
答えは「This area is too dangerous for us to travel.」になります。
・too to 構文を使っています。
・to travelに対する主体はusです。文章の本来の主語と不定詞に対する主体は一致していないのでfor usが必要になります。
4番の問題〝この手荷物は彼女が一人で運ぶのに十分軽いです。〟ですが・・・
答えは「This luggage is light enough for her to carry alone.」になります。
・enough to do 構文を使っています。
・ to carry aloneに対する主体はherです。文章の本来の主語と不定詞に対する主体は一致していないのでfor 人が必要になります。
重要文法用語まとめ
・不定詞意味上の主語
・形式主語
まとめ
いかがだったでしょうか?『不定詞の意味上の主語』の理解は進みましたか?
・不定詞の意味上の主語が必要になる理由
・不定詞の意味上の主語が発生する文法項目との関連性
上記2つのポイントを抑えておくと『不定詞の意味上の主語』が理解でき、応用できる知識に変わります。