形式目的語構文-動詞との関係を理解している?
前回は形式主語についてでした。
前回の考え方が今回も役に立ちます。シンプルに言うと「長々したものは、後ろに置いてしまおう!」という考え方です。
本日は「形式目的語構文」についてお伝えしたいと思います。
形式主語が解ると以下の問題が出来るようになります!
・以下の日本語を形式目的語の形を使って英訳してみて下さい。
1.彼女は日本語を話す事は簡単だと分かった。
2.私達はこの川で泳ぐことは危険だと思った。
3.彼は夕食後英語を勉強することを常としている。
4.私はそうすることはおかしいと思います。
形式目的語のポイント
・形式目的語のポイントは以下になります。
・形式目的語の基本的な形を理解する。
・第5文型で使われる動詞との関係を理解する。
・形式目的語になる前(=目的語の部分が長い文)の形を理解する。
・形式目的語にはどのようなパターンがあるかを理解する。
形式目的語(仮目的語)とは
形式目的語は以下のような形になります。
動詞 it 本来の目的語 という形です。
例えば・・・
・I found it difficult to master English.
(私は英語を習得することが難しいと分かった。)
という文章です。
この文章は元々・・・
・I found to master English difficult.
という形です。
下線部の部分が不定詞の名詞的用法を使った動詞findの目的語になっていますが、目的語の部分をもっとシンプルにするためにitを置き不定詞部分を後ろに移動し冒頭の・・・・
・I found it difficult to master English.
という形にしています。
上記の例では目的語の部分が不定詞の形になっていましたが、それ以外にも幾つかパターンがあります。
もう一点重要なことは、上記の文章では動詞は第5文型SVOCで使えるfindでしたが、これ以外の第5文型動詞でも形式目的語の場合に使っていくことができます。
ですから、冒頭の「形式目的語のポイント」の部分と話はかぶりますが・・・
・目的語の部分にどのような形が来るのか?
・第5文型の動詞にはどのようなものがあるか?
という点の理解が非常に重要になります。
形式目的語と第5文型
形式目的語は第5文型との関連性があります。
第5文型の目的語の部分が長くなり、そのままの状態では判りにくい構造であるため、長くなった目的語を後方に移動する形であるからです。
ですから、第5文型で使われる動詞を今一度シッカリ理解し、形式目的語との関連を理解出来るようになりましょう!
・make O C (OをCにさせる。)
(I made him leader of the team.)
→私は彼をチームのリーダーにした。
・find O C (OがCだと分かる。)
(I found this book interesting.)
→私はこの本が面白いと分かった。
・think O C (OをCだと考える。)
(She thinks this easy.)
→彼女はこれを簡単だと考える。
・consider O C (OをCとみなす。)
(He considered the information reliable.)
→彼はその情報が信頼できるとみなした。
上記動詞の目的語の部分が長くなった形をシンプルにした形が形式目的語です。
以下に目的語の部分が長々した形を記したいと思います。
長々した目的語の部分を眺めながら、第5文型の動詞の使い方と関連性をイメージすると理解がさらに深くなると思います。
長々した目的語の例
上記第5文型で使うことが出来る動詞の目的語部分が長い形が以下になります。
目的語は名詞節や名詞句に相当するものを配置する事が出来るので、不定詞の名詞的用法、動名詞、接続詞thatなどがあります。それぞれの文法項目の理解が曖昧だと理解するのが難しいかも知れませんので、リンク部分を参照し理解を深めて下さい。
・Imake to get up early a rule.
(私は朝早く起きることを常としています。)
→目的語の部分に不定詞の名詞的用法を使っています。
・ I found to be a billionnare in a year difficult.
(私は1年で億万長者になるのは難しいと分かった。)
→目的語の部分に不定詞の名詞的用法を使っています。
・They consider to speak ill of others wrong.
(彼らは他人の悪口を言うのは悪いと考えています。)
→目的語の部分に不定詞の名詞的用法を使っています。
・We think going to the area alone dangerous.
(私たちはその地域に一人で行くことは危険だと思います。)
→目的語の部分に動名詞を使っています。
・Ithought that the request had been rejected strange.
(私はそのリクエストが却下されたのはおかしいと思った。)
→目的語の部分に接続詞のthatを使っています。
長々した目的語を後ろに移動させた形
・Imake it a rule to get up early.
(私は朝早く起きることを常としています。)
・I found it difficult to be a billionnare in a year.
(私は1年で億万長者になるのは難しいと分かった。)
・They consider it wrong to speak ill of others.
(彼らは他人の悪口を言うのは悪いと考えています。)
・We think it dangerous going to the area alone.
(私たちはその地域に一人で行くことは危険だと思います。)
・Ithought it strange that the request had been rejected.
(私はそのリクエストが却下されたのはおかしいと思った。)
様々な形式目的語のパターン
・形式目的語には以下のようなパターンがあります。
・動詞 it C(=補語)+ to do(不定詞の名詞的用法)
・動詞 it C + 動名詞
・動詞 it C + that
・動詞 it C + whether
・動詞 it C+if
公式的に記してみましたが、イメージするのが難しい場合は、今一度形式目的語の例文を見て確認してみて下さい。
冒頭の問題解説
・冒頭の問題の解説です!
1番の問題「彼女は日本語を話す事は簡単だと分かった。」ですが・・・
答えは「She found it easy to speak Japanese.」になります。
2番の問題「私達はこの川で泳ぐことは危険だと思った。」ですが・・・
答えは「We thought it dangerous to swim in this river.」になります。
3番の問題「彼は夕食後英語を勉強することを常としている。」ですが・・・
答えは「He makes it a rule to study English after dinner.」になります。
4番の問題「私はそうすることはおかしいと思います。」ですが・・・
答えは「I consider(think)it strange to do so.」になります。
重要文法用語まとめ
・形式目的語
・動名詞
・名詞節
・if
まとめ
いかがだったでしょうか?
形式目的語の理解を進める為には・・
・目的語にどのような形が来るのか理解すること。
・第5文型で使う動詞についてある程度知っておくこと。
が重要になります。