分詞構文の英語が初級者でも確実に理解できる!
英文法はネットワークです。ですから、一つ一つの文法項目の理解が不十分な状態では、他の部分の理解がうまく進まない事態に発展します。一つ一つの知識を確実にしていく事が、全体の理解を助けることになります。
〝分詞構文〟の項目を文法書で観ている時に「接続詞を削り、共通する主語を省略します。」などと書かれていても理解がうまくできない方は〝分詞構文以外の問題〟を抱えているかもしれません。
今回は分詞構文の基本についてお伝えしたいと思います。他の文法項目との関連性を意識すると、理解がうまく進むように思います。
分詞構文が解ると以下の内容が理解出来るようになります!
設問1:以下の英文を和訳してみて下さい。
1. Not knowing how to get to the station, I was at a loss.
2. You will be sick eating a lot of fatty food regularly.
3. I studied English having a cup of coffee.
4. Not having breakfast, I didn’t feel hungry.
分詞構文のポイント
分詞構文を理解する為のポイントは以下になります。
・接続詞を使った文章構造の理解を明確にする。
・どのように分詞構文を作るのか理解する。
接続詞(副詞節を導く従属接続詞)と分詞構文の関係
分詞構文を理解するためには、接続詞(副詞節を導く従属接続詞)の文を理解する必要があります。
分詞構文は接続詞を使った文章構造を簡略化したものであるからです。接続詞の文と言うのは例えば以下のような形です。
・When I lived in the country, I ate a lot of hamburgers.
(私がその国に住んでいた時、私は沢山のハンバーガーを食べた。)
ここで重要になるのは「接続詞 when はどのように使う言葉であるか?」を理解する事です。
これが理解できれば・・・
・どのような意味になるか?
・分詞構文はどこに配置されるか?
という事が自動的に解るようになります。
さらに詳細を知りたい方は・・・
→ 副詞節を導く従属接続詞 を参照してみて下さい。
分詞構文 意味
分詞構文は接続詞の文章を単純化した形であるため、接続詞にはどのような種類があるか?が解かると分詞構文の訳し方も解る事になります。
以下のような意味がよく出てきます。
・When(~な時)
・While(~の間)
・Though(~なのだが)
・If(もし~ならば)
・Because(~なので)
・And(そして)
分詞構文 作り方
上述したように分詞構文は 接続詞(副詞節を導く従属接続詞)を簡略化した表現です。その文から分詞構文へ作り変えることになります。
以下が手順になります。
接続詞の文:When I lived in the country, I ate a lot of humbargers.
(私がその国に住んでいた時、私は沢山のハンバーガーを食べた。)
手順1:接続詞を削る。
・When I lived in the country, I ate a lot of hamburgers.
手順2:共通する主語を削る。(主語が一致しない場合については後述します。)
・I lived in the country, I ate a lot of hamburgers.
手順3:動詞部分を~ing 形にする。
・Living in the country, I ate a lot of hambergers.
分詞構文 主語が違うとき 独立分詞構文の作り方
接続詞の文を分詞構文に変える手順を上述しましたが、〝接続詞の前後の文で主語が違う時はどうするのだろうか?〟と疑問に思う方もいると思います。結論から言うと、主語が違う時には削る事は出来ません。前後の文の主語が違う分詞構文は独立分詞構文と呼ばれています。
例えば以下のようなケースです。
・As it was warm, I went cycling.
(暖かかったのでサイクリングに行った。)
・接続詞の文で前後の主語が異なります。このような文を分詞構文にする時の手順は以下になります。
手順1:接続詞を削る。
・As it was warm, I went cycling.
手順2:主語が違う場合は、そのまま主語を残す。
・it was warm, I went cycling.
手順3:動詞を~ingにする。
・it being warm, I went cycling.
分詞構文の否定
接続詞の文の中に否定語が入っている場合があります。〝not〟や〝never〟などです。これらが入っているものを分詞構文に変換する際には、否定語句を前に出すのが原則です。
・As I did not eat dinner, I was hungry.(夕飯を食べなかったので、お腹がすいていた。)
・Not eating dinner , I was hungry.
分詞構文 書き換え
文法書や問題集で〝分詞構文の書き換え 問題〟が出てきますが、これは実際に英文を読んでいて分詞構文が登場した際に、どのような訳し方をするのか?考えられるようにする為の練習です。
例えば、以下のようなケースです。
・Going straight along this road, you can find the bank on the right.
〝もしあなたがこの道路に沿って真っすぐ行けば、銀行を右手に見つけることが出来ますよ。〟
英文を読んでいて上記のような英文に遭遇した時に〝どのような意味が適当か?〟と考えるためには、〝接続詞を使った文はどのような形であるのか?〟と考えてみることによって正確な和訳が出来るようになります。
さて、分詞構文を接続詞の文へと書き換える方法ですが・・以下になります。
手順1:前後関係から妥当な接続詞を考える。
・「If」 going straight along this road, you can find the bank on the right.
手順2: 主語は何かを考える。
・If 「you」 going straight along this road, you can find the bank on the right.
この場合は、主語が後ろの文と一致しているので you となります。
手順3: ing 部分を時制を考慮し、動詞に戻す。
・If you 「go」 straight along this road, you can find the bank on the right.
この場合は、動詞部分は 時・条件の副詞節のルールが適用されて、現在形で表しています。
手順4: 誤りがないか確認し、全体で意味が通るか確認する。
・If you go straight along this road, you can find the bank on the right.
〝もしあなたがこの道路に沿って真っすぐ行けば、銀行を右手に見つけることが出来ますよ。〟
元の分詞構文の文から、接続詞の文へと書き換えをすることで、意味が明確に理解できるようになります。
冒頭の問題解説
冒頭の問題解説です。
1. Not knowing how to get to the station, I was at a loss.
和訳:私は駅への行き方が分らなかったので、私は途方に暮れた。
接続詞で書き換えた形:Because I did not know how to get to the station, I was at a loss.
2. You will be sick eating a lot of fatty food regulary.
和訳:もし定期的に脂っこい食べ物を沢山食べると、あなたは病気になるでしょう。
接続詞で書き換えた形:You will be sick if you eat a lot of fatty food regularly.
・ifは〝条件の副詞節〟なので、未来の事でも現在形で表さなければなりません。そのため、eatは現在形になっています。
・regularlyは副詞で動詞eatを説明しています。eatは他動詞なので、regularlyの位置はここになります。
3. I studied English having a cup of coffee.
和訳:コーヒーを飲みながら私は英語を勉強した。
接続詞で書き換えた形:Istudied English while I had a cup of coffee.
4. Not having breakfast, I didn’t feel hungry.
和訳:朝ご飯を食べなかったが、私は空腹を感じなかった。
接続詞で書き換えた形:Though I did not have breakfast, I did not feel hungry.
・feel は第2文型で使っています。形容詞hungryを補語として使っています。
重要文法事項まとめ
・第2文型
・形容詞 補語
まとめ
分詞構文の理解は進んだでしょうか?
・接続詞を使った文章を単純化した形が分詞構文である
という部分がポイントです。
次回は〝分詞構文応用編〟についてお伝えします。