関係代名詞 目的格 理解は本当に大丈夫ですか?
前回は 関係代名詞 主格 でした。
〝なぜ主格を使うのか?を文構造の観点から理解することが重要〟でした。今回もやはり、前回のように文章構造を理解することが非常に重要になります。
今回は 関係代名詞 目的格 について解説します。
関係代名詞 目的格が解ると以下の問題が出来るようになります。
・以下の日本語を英訳してみて下さい。
1.彼女は私が一番好きな女優です。
2.これは彼女が昨年買った家です。
3.私が知っているその女性は嘘つきだ。
4.彼が作ったカレーはまずかった。
関係代名詞 目的格 のポイント
・関係代名詞 目的格のポイントは以下になります。
・英語の修飾に関する共通ルールを抑える。
・関係代名詞の表を覚える。
・関係代名詞 目的格 whom which thatを使う理由を理解する。
関係代名詞の表はシッカリ覚えている?
関係代名詞の原理が理解出来ても、基本的な知識を覚えていなければ、正確に関係代名詞を使った文章を作ることは出来ません。
ですから、まず以下の表は必ず覚えましょう!
主格 | 所有格 | 目的格 | |
人 | who | whose | whom |
物 | which | whose | which |
人・物 | that | that |
表を覚えたら、関係代名詞 目的格の使い方について理解するだけです。以下で述べたいと思います。
関係代名詞 目的格 人の場合
〝I know the man ( ) he respects.〟の様な文法問題の解説を塾などでは『先行詞が人を表す言葉で、( )以降の文章構造が、主語+動詞 という文章構造になっている時には関係代名詞 whomかthatを使いなさい』などと指導するケースもありますが、文章の構造の観点から考えていくと、より明確に考えられるようになります。
関係代名詞は2つの文章を組み合わせた形です。
関係代名詞主格のところでも述べたことですが、2つの文章を組み合わせる際、重複する部分を削ります。今回の目的格 人の場合は以下のような形になります。
・I know the girl.
・Ken likes the girl.
という2つの文章があり・・・・ これを1つにして・・・
・I know the girl whom Ken likes.
(私はケンが好きな女の子を知っています。)
となります。2つの文章を組み合わせる際の手順は以下になります。
・2つの文のどちらを骨格(=土台)とするか?
・説明で使う文の中の、骨格の文と重複する部分を削る。
・削った部分が文章の中のどの位置であるか?を理解し、関係代名詞を補う。
上記の完成した文は・・・・
〝I know the girl.という文章を骨格〟とし、この文の中のthe girlを説明する(=先行詞 the girl)ために・・・
〝Ken likes the girl.という文を説明〟で使っています。説明で使う文の中の骨格の文と重複している部分を削る形となるので・・・
・Ken likes the girl. という形になります。削った部分が人を表す言葉で目的語になっています。削った部分の代わりに関係代名詞を配置するのですが・・・・
人の時に使える関係代名詞は以下の表のように・・・・who whose whom that that になります。
主格 | 所有格 | 目的格 | |
人 | who | whose | whom |
物 | which | whose | which |
人・物 | that | that |
そして削った部分が目的語ですので・・・ 詳しく説明される言葉(=先行詞)the girl の直後に関係代名詞を配置し・・・
・I know the girl whom(=that) Ken likes. という形になります。
関係代名詞 目的格 物の場合
目的格 人の場合が解れば、目的格 物 の場合もスグに解ります!
以下のような2つの文を繋いだ形が目的格 物の場合です。
・I know the dog.
・He bought the dog yesterday.
〝I know the dog 〟を骨格とし〝He bought the dog yesterday〟を説明で使うとします。骨格の文と、説明の文の中の重複している部分を見つけ、説明の方の重複部分を削る形なので、以下のようになります。
・He bought the dog yesterday.
骨格の文章と組み合わせるためには、削った部分の代わりに関係代名詞を使います。
削った部分は物です。物の時に使える関係代名詞は以下の表のように・・・which whose which that that になります。
主格 | 所有格 | 目的格 | |
人 | who | whose | whom |
物 | which | whose | which |
人・物 | that | that |
さらに、削った部分は目的語であるので使える関係代名詞は・・・・ which that になります。
骨格の文章 I know the dog. の the dog 部分を説明するような形で文章を配置するので・・・ the dogの直後の説明で使う文章を配置します。
・I know the dog(←)he bought yesterday. 関係代名詞を配置すると・・・・
・I know the dog which (=that)he bought yesterday.
となります。
関係代名詞 目的格 の英作が出来るようになるには?
2つの文を組み合わせで 関係代名詞 目的格 を作れる という事は解かったけれど、実際に英作文や英会話の時に関係代名詞 目的格を瞬時に駆使しながら、応用することが出来ない・・・ というケースもあると思います。
そのような場合には、以下のように練習してみると、応用力が付きます。
・I know the man whom(=that)
・The man whom(=that)
のような文章の一部を用意し、関係代名詞 目的格より後ろをドンドン練習する方法です。
1.I know the man whom(=that) she likes.
2.I know the man whom(=that) he really adores.
3.The man whom(=that) she saw yesterday was very tall.
4.The man whom(=that) they respect is very popular among teenagers. などといった形です。
練習をする際、関係代名詞に慣れていない方は〝自分が作った文章が本当に正しいのだろうか?〟と思う方もいるかもしれません。
その際は〝文章を2つに分け、文章が成立するかどうか?〟と考えてみると良いでしょう。
例えば、1番 I know the man whom(=that) she likes. の場合・・・
・I know the man.
・She likes the man.
という形に分解することが可能です。(= She likes the man. の目的語部分を削り、目的語部分が人であるので関係代名詞 whom か that を選択することになります。)
冒頭の問題解説
冒頭の問題の解説です。
1番の問題「彼女は私が一番好きな女優です。」ですが・・・
・答えは「She is the actress whom(=that)I like the best.」になります。
・She is the actress. が骨格の文です。
・I like the actress the best.の the actress が重複しているので、省略し削った部分が人であり、目的語になっています。
2番の問題「これは彼女が昨年買った家です。」ですが
・答えは「This is the house which(=that) she bought last year.」になります。
・This is the house.が骨格の文です。
・She bought the house.の the house が重複しているので、省略し削った部分が物であり、目的語になっています。
3番の問題「私が知っているその女性は嘘つきだ。」ですが・・・
・答えは「The lady whom(=that)I know is a liar.」になります。
・The lady is a liar.が骨格の文です。
・I know the lady. のthe ladyが重複しているので、省略し削った部分が人であり、目的語になっています。
4番の問題「彼が作ったカレーはまずかった。」ですが・・・・
・答えは「The curry which(=that)he cooked tasted bad.」になります。
・The curry tasted bad.が骨格の文です。
・He cooked the curry. のcurryが重複しているので、省略し削った部分がものであり、目的語になっています。
・動詞 taste は第2文型 SVC で使われています。
重要文法用語まとめ
・関係代名詞 目的格
・先行詞
まとめ
英語において、説明が長々とした場合はその説明を後ろに配置するのが共通のルールです。関係代名詞も同じように説明が長くなるので後ろに配置しています。
関係代名詞を を素早く攻略するためには・・・
・関係代名詞の表をシッカリ覚える。
・文章構造の理解が重要になります。
目的格を使う理由は文章の中の目的語の部分を削るためです。理屈を理解しないで、なんとなく丸暗記して〝that にしとけばおそらく正解だろう〟とすると、後々必ず問題が起きるので、理解し納得できるまで何度も読んで考えてみて下さい。