過去分詞の形容詞パターンを高速で理解しよう!
現在分詞の形容詞パターンのところでもお伝えしたように、英語の修飾(何かを説明すること)には共通するものがあります。
それは、「短い説明」=1語の説明の場合は、それを詳しく説明される名詞の前に置き、「長い説明」=2語以上の場合はそれらを詳しく説明される言葉の後ろに置くということでした。
今回は、現在分詞の形容詞パターンの考え方が殆ど全て活用できる「過去分詞の形容詞パターン」についてお伝えしたいと思います。
過去分詞の形容詞パターンが解ると、以下のような問題が出来るようになります!
・以下の( )内の適切な方を選びなさい。
1.This is a (breaking/broken )window.
2.I need some (boiling/boiled)eggs.
・以下の単語を並べ替えて意味の通る英文を作りなさい。
3. [? this year house the last by is built them ]
過去分詞の形容詞的使い方のポイント
過去分詞の形容詞パターンに関するポイントは以下になります。
・過去分詞を形容詞として使った時に、どのような意味になるか?
・過去分詞が名詞を説明する時に、どの位置に置くか?
・過去分詞+名詞の形でよく使われているものを覚えておく
(※位置に関しては、現在分詞の形容詞パターンの考え方がそのまま利用できるので、そちらも見てみるとより理解が深まると思います。→ 現在分詞の形容詞パターンがコレで見えた! を参照してみてください。)
過去分詞を形容詞的に使った場合の意味
過去分詞修飾は 過去分詞が名詞を説明することですが、日本語に訳した場合「~される」とか「~した」のような形になります。どちらの意味になるかは、文脈で判断する形になります。
・壊れた車→broken car
・絶滅種(絶滅に瀕した種)→endangered spieces
・デコレーションされたケーキ →decorated cake
冒頭の問題に関してですが・・・
・1番の問題は This is a (broken) window.(これは壊れた窓です。)が正解になります。動詞 〝break〟 は他動詞で 〝~を壊す〟という意味で、これが過去分詞となる事で〝壊れた〟という意味になっています。
※自動詞 他動詞 の見分け方 が良く分からない方は・・・
→ 自動詞 他動詞 の見分け方 もう悩まないで! を参照してみて下さい。
・2番の問題は I need some (boiled) eggs.(私はいくつかのゆで卵が必要だ)が正解になります。動詞 〝boil〟 は他動詞で 〝~を茹でる〟という意味で、これが過去分詞になる事で 〝茹でられた〟という意味になっています。
過去分詞修飾のパターンには2つある。
現在分詞の形容詞パターンの場合と同じように過去分詞の形容詞パターンには2つのパターンがあります。
・前から名詞を修飾(=説明)する場合
・後ろから名詞を修飾する場合(=後置修飾)
前から名詞を修飾する場合は、その単語が1語の場合です。逆に後ろから修飾する場合は、2語以上の場合です。
1.Look at the broken window.
2.Look at the window broken by Taro.
・1の文では brokenだけが単独で使われているので、前からwindowを修飾しています。
・2番の文ではbroken by Tom と過去分詞の部分が2語以上なので後ろからwindowを修飾しています。1語の場合でも後ろに置くことも、場合によってはあり得ますが、まず基本的な原則は上記のような形で覚えておくのが良いと思います。
冒頭の3番の並べ替え問題に関してですが、答えは・・・
Is this the house built by them last year ? になります。
この問題は、built が過去分詞となり、2語以上になり後ろからhouse を説明している というところがポイントになっています。
過去分詞を形容詞として使ったケース(過去分詞修飾)例文
過去分詞 前置修飾 例文
1.A broken window needs to be fixed.
割れた窓は修理する必要があります。
2.The stolen car was found in the woods.
盗まれた車は森の中で見つかりました。
3.She showed me a handwritten letter from her grandmother.
彼女はおばあさんからの手書きの手紙を見せてくれました。
4.This is a forgotten tradition in many cultures.
これは多くの文化で忘れ去られた伝統です。
5.They consulted a recently published book on climate change.
彼らは気候変動について最近出版された本を参照しました。
過去分詞 後置修飾 例文
1.The book written by her father is very popular.
彼女の父によって書かれたその本はとても人気があります。
2.The cake made by Tom was delicious.
トムが作ったケーキは美味しかったです。
3.The students invited to the event were excited.
そのイベントに招待された学生たちは興奮していました。
4.The house built in 1920 is still standing.
1920年に建てられたその家は今も建っています。
5.The results announced yesterday surprised everyone.
昨日発表された結果は皆を驚かせました。
過去分詞の形容詞的使い方と関係代名詞の関係
以下のような日本語を見た時に“関係代名詞で表すべきなのか?〟or 〝過去分詞修飾で表すべきなのか?〟と疑問を持つ方もいるかもしれません。
『これはフランスで作られたネクタイです。』
以下のような英文の場合は、関係代名詞で表したものを過去分詞の形容詞パターンなどに変換することも可能です。
・This is a tie (which)(was)made in France.
関係代名詞 主格 物の場合のwhich と was の部分が省略された形が過去分詞の形容詞パターンになります。
・This is a tie made in France.
この書き換えをみてみると、過去分詞修飾がどうして過去の意味を持つ場合があるのか?ということが明確になると思います。
何気に使われている過去分詞修飾
日常英会話の中やウェブページを閲覧していると、よく出てくる 過去分詞+名詞のパターンがあります。セットとして覚えておくと、コロケーション知識の観点からも良いと思います。
・frozen food(冷凍食品)
・canned tomato(缶詰のトマト)
・powdered milk(粉ミルク)
・bottled fruits(瓶詰の果物)
・carbonated drink(炭酸飲料)
英会話や英作に過去分詞の形容詞的用法を活かすには?
過去分詞を形容詞的に使う方法についての基本的なルールが理解できると、英会話や英作文にも役立てることができますが、より一層効率的にこの知識を活用するためには、過去分詞+名詞の組み合わせを沢山知っておくことだと思います。
読んで理解できる物でも、実際に会話で使えなくなる場合は、大概の場合、過去分詞の形容詞的使い方のルールを知らないからではなくて、頭の中のデータベースに、上で記したような 過去分詞+名詞 のストックが少ないことが原因だと考えられます。
日頃英文を読む際に、気になる過去分詞+名詞の組み合わせがある時は、英単語専用のノートなどに書き記しておくことをお勧めします。
まとめ
過去分詞の形容詞パターンも考え方は、基本的に現在分詞パターンと一緒になります。
過去分詞の形容詞パターンが今回理解出来たけれど、〝現在分詞の形容詞パターンが理解できていない〟 という方は、そちらのページも参照してみて下さい。簡単に理解できるようになると思います。
また、実際の英会話や英作文で活用するために、どのような過去分詞+名詞が日常的によく使われているか?を理解して、記憶してしまいましょう。そうすることで、一層過去分詞修飾の理解が深まり、英会話、英作にも活きてくると思います。