前置詞 関係代名詞 なぜ がコレで解決!

前置詞   関係代名詞 なぜ がコレで解決!

 

関係代名詞について学んでいると、前置詞+関係代名詞 のような形が出てきて難しく感じることがあります。私が初めてこの形を見た時は、非常にチンプンカンプンだった記憶があります。

 

今から考えれば、理解するのに非常に困難を感じた理由は〝複合的な要因〟が隠れていたからでした。今回は「前置詞 関係代名詞」についてお伝えしながら、この複合的な要因についても触れたいと思います。

 

 

前置詞 関係代名詞が理解出来ると以下の問題が解るようになります。

前置詞 関係代名詞2

 

・以下の(   )内に適切な前置詞を入れて文章を完成させて下さい。

 

1.This is the role (  ) which she became famous.

2.Do you remember the day (  ) which we met each other first?

3.I don’t know the temperature (  ) which ice starts to form.

4.There are a few things (  ) which I believe.

 

・以下の英文の誤りをみつけて下さい。

 

5.Do you know the country which he went?

6.She knows the school for that he works.

7.Do you remember the town to which he visited?

8.The city on which she lives is Sapporo. 

 

 

 

前置詞 関係代名詞のポイント

 

関係代名詞 目的格を理解する。

前置詞+関係代名詞の前置詞が使われる理由を理解する。

どのような場合に前置詞+関係代名詞 になるのか?幾つかのパターンを知る。

 

 

関係代名詞 基本は大丈夫?

前置詞 関係代名詞3

 

前置詞+関係代名詞を理解するには、関係代名詞の基本について理解が出来ていなければなりません。

 

特に関係代名詞 目的格のところが重要になります。まず、この部分の知識を正確に理解することで、前置詞+関係代名詞の理解もスムーズに進みますから、焦らずにこちらで基礎固めをして下さい。

 

関係代名詞 目的格 理解は大丈夫ですか?

 

 

 

前置詞 関係代名詞 どうしてこのような形になるのか?

前置詞 関係代名詞4

 

以下のような英文を見ることがあります。

 

・This is the city in which he was born.(これは彼が生まれた街です。)

 

このような形を見た時に〝どうしてin which という形になるのか?〟と考える方が多いと思います。このような形になるのは上記の英文が元々以下のような2つの英文であった為です。

 

A:This is the city.

B:He was born in the city. 

 

関係代名詞のページで述べたように、〝骨格で使う文〟と〝説明で使う文〟を組み合わせる時には、説明として使う文の中で重複する部分を削らなければなりません。削ると以下のような形になります。

 

A:This is the city.

B:He was born in the city

 

削った部分が前置詞の目的語になっており、削った部分がthe city=物なので、使える関係代名詞は以下の表の中の目的格〝which〟か〝that〟になります。

 

  主格 所有格 目的格
 人 who whose whom
 物 which whose which
 人・物 that  that

 

 

上記AとBの部分を関係代名詞 目的格を使って繋ぐと以下のような形になります。

 

This is the city which he was born in.

・This is the city that he was born in.

 

前置詞〝in〟を最後に残したくなければ、以下の形も可能です。

 

・This is the city in which he was born. 

 

このような形が〝前置詞+関係代名詞〟です。

 

ただし、in thatのような前置詞+関係代名詞thatの形は不可です。

 

 

前置詞+関係代名詞には、前置詞+whichだけではなく以下のような形もあります。

 

・The people with whom he works are very kind.(彼が一緒に働いている人達はとても親切だ。)

 

上記の英文は元々以下のような2つの英文です。

 

A:The people are very kind.

B:He works with the people.

 

A文を骨格とし、B文を説明で使う形になるので、説明として使うB文の中で重複する部分を削らなければなりません。削ると以下のような形になります。

 

A:The people are very kind.

B:He works with the people.

 

削った部分が前置詞の目的語になっており、削った部分がthe people=人なので、使える関係代名詞は以下の表の中の目的格〝whom〟か〝that〟になります。

 

  主格 所有格 目的格
 人 who whose whom
 物 which whose which
 人・物 that  that

 

上記AとBの部分を関係代名詞 目的格を使って繋ぐと以下のような形になります。

 

The people whom he works with are very kind.

The people that he works with are very kind.

 

前置詞〝with〟を最後に残したくなければ、以下の形も可能です。

 

The people with whom he works are very kind.

 

このような形が〝前置詞+関係代名詞〟です。

 

ただし、with thatのような前置詞+関係代名詞thatの形は不可です。

 

 

このようにして考えていくと、前置詞 + 関係代名詞を理解するためには、以下の条件が必要になります。

 

関係代名詞 目的格の基本をシッカリ理解出来ていること。

前置詞が使われる理由を知らなければならない。 

 

前置詞が使われる理由を知る為には、様々な前置詞+関係代名詞の形を理解し、その前置詞が何故必要になるのか?を理解する必要があります。以下でそれについて述べたいと思います。

 

関係代名詞 前置詞の種類にはどのようなものがあるか?

前置詞 関係代名詞5

 

 

1.She left for the school at which she works.

(彼女は彼女が働く学校へ向けて出発した。)

・at which になっているのは、work at ~ ~で働く という形でworkを使う為です。

・上記の文は・・

 

・She left for the school.

・She works at the school.

の2つに分けることが出来ます。

 

2.They will return to the contries from which they came.

(彼らは彼らがやってきた国へ戻るつもりだ。)

・from which になっているのは、 come from ~  ~来るという形でcomeを使う為です。

 

3.That is a comment up with which I can not put.

(あれは私が我慢できないコメントです。)

・up with which になっているのは、 put up with~  ~を我慢する という句動詞でputを使う為です。

 

4.The tree under which the body was buried is growing.

(その死体が埋められた木は成長している。)

・under which になっているのは、bury under~  ~の下に埋める という形でburyを使う為です。

 

5.You are not responsible for things over which you have no control.

(あなたは管理できない事柄に対して責任はない。)

・over which になっているのは、have control over ~  ~の支配 ~の管理 という形で名詞 control を使う為です。

 

6.They became aware of new areas into which investigation need to be made.

(彼らは調査が必要とされる新しい分野に気付いた。)

・into which になっているのは、 investigation into ~  ~への調査 という形でinvestigationを使う為です。

 

 

 

前置詞 関係代名詞 完全文とは?

前置詞 関係代名詞6

 

 

参考書などで 〝前置詞+関係代名詞 の場合、関係代名詞の後ろは完全な文である〟と説明されている場合があるのですが、ここがよく解らないと生徒さんなどに尋ねられることがあります。

 

これまでに前置詞+関係代名詞の様々な例を記してきましたが、実際に関係代名詞の後ろをみてみると完全な文であることが解ります。

 

例えば〝She left for the school at which she works.〟という文ですが、関係代名詞より後ろは〝she works〟だけで完全な形になっています。完全な文と言うのは、その文だけで意味が成立し文法的に正しい文のことです。〝彼女は働く〟workは自動詞として使われているので、主語+動詞 という第1文型になって成立しています。

 

もう一つ別な文章で検証したいと思います。

 

You are not responsible for things over which you have no control.〟という文ですが、関係代名詞より後ろは完全な形になっています。〝you have no control〟(あなたは管理しない)この文だけで成立し文法的に正しい形です。have ~ は他動詞として使われており、後ろに目的語が使われているので完全な文と言うことになります。

 

このようにしてみると、前置詞+関係代名詞 の後ろは完全な文であると正確に判断するには、関係代名詞の知識に加えて・・・

 

動詞が自動詞か?他動詞か?

自動詞の時に一緒に使われる前置詞を知る。

句動詞の知識

名詞や形容詞と一緒に使われる前置詞 

 

などの総合的な知識が必要になります。

 

このような知識も日常学習において、少しずつストックしていくことが大切です。

 

 

関係代名詞 in which where

 

・前置詞+関係代名詞 について学ぶと in which と関係副詞のwhere の書き換えなどが気になると思います。簡単に下に記してみたいと思います。 

 

Japan is the contry in which I was born.(日本は私が生まれた国です。)

上述したように、前置詞を関係代名詞の直前に置くという事は、関係代名詞以下にその前置詞が必要になるからですが、上記の英文の場合以下のように英文を分けることが出来ます。

 

・Japan is the country.

・I was born in the country.

the countryの部分が重複しているので削り、削った部分が名詞で前置詞の目的語になっている為、関係代名詞の目的格を使います。

 

一方、関係副詞を使って同じ内容を記している以下の文ですが・・

 

・Japan is the country where I was born. 元々の形は以下のような2つの文章に分けることになります。

 

・Japan is the country.

・I was born in the country. 前置詞inのところまで含め〝in the country=その国で〟という副詞の働きをする部分を削ることになるため〝関係副詞〟のwhereを使う形になります。関係副詞について詳細を知りたい方は・・ 

 

関係副詞 関係代名詞との違いが判る男になろう! を参照してみて下さい。

 

 

冒頭の問題解説

前置詞 関係代名詞7

 

・冒頭の問題解説です。

 

1番~4番は空欄に正しい前置詞を入れる問題です。

 

1番の問題:This is the role (for) which she became famous.

(これは彼女が有名になった役です。)

・形容詞famousとforを一緒に使っています。became famous for the role=その役で有名になった。 famous for ~ ~で有名 と言う形です。この前置詞forが関係代名詞の前に付いた形になります。

・becomeは第2文型で使われています。

 

2.Do you remember the day (on) which we met each other first?

(あなたは私達が初めてあった日を覚えていますか?)

・we met each other first on the day.   〝その日に〟=on the day の前置詞 on が関係代名詞の前に付いた形になります。

・first は動詞を修飾する副詞です。目的語があるので、その後ろに配置されています。

 

3.I don’t know the temperature (at) which ice starts to form.

(私は氷が出来始める温度を知りません。)

・ice starts to form at the temperature  〝その温度で〟=at the temperature の前置詞 at が関係代名詞の前に付いた形になります。

 

4.There are a few things (in) which I believe.

(私が信じる少しの事柄があります。)

・believe in  ~ 〝~を信じる〟の前置詞 in が関係代名詞の前に付いた形になります。believe は他動詞でも使えますが、この場合は自動詞として使っているので、目的語を取るために前置詞inが必要になっています。

 

5番から8番は文中の間違いを探す問題です。  

5.Do you know the country which he went? 

(あなたは彼が言った国を知っていますか?)

の文ですが・・・正解は以下のような形になります。

 

Do you know the country which he went to?

Do you know the country to which he went?

・whichを活かして正解にするには上記の形になります。動詞wentは自動詞ですので前置詞toが必要になります。

 

6.She knows the school for that he works.

(彼女は彼が働く学校を知っています。)

 の文ですが・・・正解は以下のような形になります。

 

・She knows the school that he works for(またはin、at).

・workは自動詞で使われているので 前置詞 for,in,atのいずれかが必要になります。

・関係代名詞thatを使っているので関係代名詞の前に前置詞を置くことはできません。

 

7.Do you remember the town to which he visited?

(あなたは彼が訪れた街を覚えていますか?

の文ですが・・・正解は以下のような形になります。

 

Do you remember the town which he visited?

・前置詞toを削らなければなりません。

・visitは他動詞で目的語を取ることが出来る為、前置詞toは必要ありません。

 

8.The city on which she lives is Sapporo. 

(彼女が住んでいる都市は札幌です。)

の文ですが・・・正解は以下のような形になります。

 

The city in which she lives is Sapporo.

The city which she lives in is Sapporo.

 

・whichを活かして正解にするには上記の形になります。

・動詞liveは自動詞で目的語を取る時には前置詞inになります。

 

 

 

重要文法用語まとめ

 

関係代名詞 目的格

自動詞 他動詞

名詞の置ける位置

関係副詞

第2文型

副詞

 

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

前置詞+関係代名詞を本格的に理解するためには、関係代名詞 目的格の基本は勿論、自動詞や他動詞なども含め幅広い知識が必要になります。一つ一つの理解を着実に固めることで、シッカリと理解出来るようになります。