不定詞の形容詞的用法が分かったよ!

不定詞の形容詞的用法

 

前回は、様々な意味を持つ不定詞の名詞的用法についての話でした。

 

今回は不定詞を形容詞的に使った場合の話です。いくつかのポイントを理解し記憶すると、そんなに難しいものではありません。

 

特に、中学校や高校で英文法をなんとなく理解していた方は、知識をより深く捉えることが出来て、英作文や英会話で活用できる知識に変化すると思います。

 

不定詞の形容詞的用法が解ると以下の問題が理解出来ます。

不定詞 形容詞的用法1

 

以下の単語を並べ替えて意味の通る英文にしてください。

 

1.{something  nibble   you   do  to   ?   want  }

2.{ many  have  about  things  I  talk  to  .}

 

※答えは以下の説明で出てきます!

 

不定詞の形容詞的用法を理解する為のポイント

 

定詞の形容詞的用法を理解する為のポイントは以下になります。

 

 

形容詞とは何かをまずシッカリ理解する。

不定詞の形容詞的用法の意味

不定詞を形容詞的に使う場合の配置する位置

 

 

形容詞の理解は大丈夫?

不定詞 形容詞的用法3

 

不定詞の形容詞的用法を理解する為には、まず形容詞の理解が重要になります。

 

現在分詞の形容詞パターンのページでも記しましたが・・・ 

 

形容詞には使い方が2つあります。

 

・名詞を説明する

・補語として使う

 

今回は『名詞を説明する』方がテーマになっています。

 

例えば『ビル』という名詞がある時に、これを説明することが出来る日本語の単語を考えてみると・・・以下のようなものが考えられます。

 

高い ビル

新しい ビル

近代的な ビル 

 

『高い』『新しい』『近代的な』これら全ての単語は名詞「ビル」を説明しています。これらは全て名詞を説明する言葉で形容詞になります。

 

そして、英語には様々な〝形容詞〟という言葉が付く文法用語が現れるのですが(以下これらを形容詞グループと称します。)、これをラクラク理解する上で重要になるのが、それらを文章の何処に配置するのか?という点です。

 

結論から先に述べますと・・・

 

説明が短い場合は、形容詞グループを名詞の前に置く

説明が長い場合は、形容詞グループを名詞の後ろに配置する。

 

ということになります。

 

今回の不定詞の形容詞的用法は、説明が長い場合 に相当するので、後ろに配列することになります。

 

ちなみに、以下のような文法事項も説明が長くて後ろに置くパターンになります。

 

現在分詞の形容詞パターンがコレで見えた!

過去分詞の形容詞パターンを高速で理解しよう!

 

 

不定詞の形容詞的用法の意味

不定詞 形容詞的用法2

 

不定詞の形容詞的用法の日本語訳は・・

 

・「~するための」

・「~するべき」

 

などとなります。

 

初めて不定詞を学習した中学生や、英語を苦手としている方が不定詞の形容詞的用法について英文法所などで学習した場合、この2つの和訳を暗記しようとする方が多いですが、極論を言えば、別にこれを暗記する必要はありません。

 

名詞を説明する働きをするという原則が理解出来れば、日本語訳を丸暗記する必要はなくなります。

 

例えば・・・ a language to master

 

というフレーズの場合、名詞の「language」を説明しようとすると・・・

 

・習得するべき言語

・習得するための言語 

 

のような形でしか自然な和訳が出来なくなります。自動的に「~するための」「~するべき」という和訳しか出来なくなってしまいます。

 

ですから、無理にこれらの和訳を覚えなくとも、『名詞を説明するような訳し方をすると、どのような日本語訳になるか?』と考え方さえ理解しておけば良い事になります。

 

不定詞の形容詞的用法の位置

不定詞 形容詞的用法6

 

これまで何度か述べているように、形容詞グループの言葉は、説明が短かければ、説明されれる言葉の前に置き、説明が長ければ修飾される言葉(=説明される言葉)の後ろに配置するというのが原則です。

 

今回の不定詞の形容詞的用法は、説明が長いグループなので、修飾される言葉の後ろに配置していくことになります。

 

Do you want something to drink?

 

something=何か を to drink=飲むための が後ろから説明する形になります。

 

さて、冒頭の並べ替え問題の1ですが、正解は Do you want something to nibble?(つまむ物ある?) になります。nibble の品詞は動詞です。不定詞=to nibbleが後ろから、something = 何か を説明しています。

 

 

不定詞の最後に前置詞が付くケース

 

不定詞の形容詞的用法がある程度理解できるようになっても、日本人が英作文をすると間違いやすいパターンがあります。それは、不定詞の最後に前置詞が付いてくるパターンです。

 

「書くための物を貸してくれませんか?」

・Could you lend me somthing to wite with? のようなパターンです。

 

うっかり・・・・ 

 

× Could you lend me something to write?

 

などと、やってしまいたくなります。私も何回も同じようにミスをしました。

 

『これを防ぐためにどうしたら良いだろうか?』と考え、実行し効果があったものは以下です。

 

・間違いやすい典型的なパターンを知っておく。

・英作した時に、本当にそれが合っているか確認する。

 

どのような日本語表現で間違い易いか?

 

私は以下のような英作をした時によく間違えました。

 

『彼らは住む家がありません。』

 

『彼女は一緒に旅行する友人がいません。』

 

『書くものをくれませんか?』(筆記用具ではなくて、紙など書き留めるもの という意)

 

このような文章の時にそれぞれ・・・・

 

×I don’t have a house to live.

× She doesn’t have a friend to travel.

× Could you give me something to write?

 

などという間違えをしました。

 

正解はそれぞれ・・・  

 

〇 I don’t have a house to live in.

〇 She doesn’ have a friend to travel with.

○ Could you give me someshing to write on?

 

になります。

 

自分が不定詞の形容詞的用法を使った時に判定する方法

不定詞 形容詞的用法4

 

『私には住む家がありません。』という日本語を英訳する時に・・

 

Idon’t have a house to live.と英作したとします。この文は、上述したように、正解は live の後ろにin を付けた形になります。前置詞をうっかり付け忘れてしまいます。

 

このようなミスをしないようにする為には、不定詞によって詳しく説明される名詞を後ろに戻した時に、意味が成り立つ表現か?と考えチェックしてみると良いと思います。

 

程のI don’t have a house to live. という英文の場合、 live a house で意味は成り立ちません。live in a house =家に住む で意味が通ります。そうすると in が無いとおかしい事になります。

 

一方、Do you want something to drink? という英文の場合、drink something =何か飲む で意味が通るので形として正しいと判断できます。

 

さて、冒頭の2番の並べ替え問題ですが、正解は I have many things to talk about.(=私は話し合う事柄が沢山ある) になります。

 

to talk about がmany things を後ろから説明しています。to talk に出来ないのは、talk many things という形に出来ないためです。talk は自動詞で目的語を付けるためには、前置詞が必要になります。

 

※自動詞 他動詞 が良く分からない方は『自動詞 他動詞 見分け方 もう悩まないで!』を参照してみて下さい。

 

まとめ

不定詞 形容詞的用法7

 

不定詞の形容詞的用法は、形容詞の基本を、まずしっかり理解する事が重要です。

 

また、実際に英会話や英作文でその知識を応用する時に、よく間違えやすいパターンについて理解し記憶しておくと、ミスを減らす事が出来ると思います。