比較級の英語 品詞の観点から理解していますか?
比較級を苦手とする方がたまにいます。
いくつか傾向があるのですが・・・・
一番多いのは「どのような言葉を比較級に出来るのか?」という点が掴めていないパターンだと思います。次に多いのは「比較級を使った特殊な構文」です。これについては、いずれまた別な機会に扱いたいと思います。
今回は、「比較級の基本」について、まとめてみたいと思います。
比較級が解ると以下の問題が理解できるようになります!
Q.以下の日本語を英語にしてみましょう!
1. この橋はあの橋より古い。
2. 彼は私より早く起きます。
3. 彼女の母は彼女より美しい。
4. 彼は彼の友人よりも流暢にフランス語を話せます。
ポイント
比較級を理解する為のポイントは以下になります。
・どのような品詞が比較級になるのか理解する。
・基本的な比較級の形を理解する。
どのような品詞が比較級になるか?
比較級の文を作る時に、なんとなく比較級にしている方が多いように思います。
私も実際そうでした。英語をよく理解していなかった時に「この学校はあの学校より古い」は簡単に英作出来ても、「彼は私よりも一生懸命に働きます。」という文章を作るのに苦労しました。
これは、比較級の形を理解していなかったからではなくて〝どのような品詞が比較級になるのか理解していなかった〟事が原因です。よって、比較級にできる品詞を理解する事が重要です。
比較級に出来る品詞は・・・
・形容詞
・副詞
になります。
例えば「この学校はあの学校より古い」という日本語の場合、〝古い〟が形容詞になります。一方「彼は私よりも一生懸命に働きます。」という文章の場合〝一生懸命に〟が副詞になります。
もし「どのような品詞を比較級の形に変えることが出来るのか?」と悩んだら、「より」という言葉を付ける言葉を考えてみると良いと思います。「より」の後ろに続く言葉は、形容詞か副詞になります。
・より古い
・より早い
・より賢い
・より美しい
・より高い
・より注意深く
・より素早く
・より低く
・より一生懸命に
比較級になる部分は形容詞、副詞なので、実際の英作文で比較級の文章を作る時に、どの日本語部分が形容詞であるか?副詞であるか?を意識する事が重要になります。
※形容詞の基本的な〝働き〟と〝位置〟について知りたい方は・・
→ 形容詞 を参照してみて下さい。
※副詞の基本的な〝働き〟と〝位置〟について知りたい方は・・
→ 副詞 を参照してみて下さい。
比較級の基本的な形
比較級の形は以下の2種類になります。
・er +than
・more+than
になります。
以下でそれぞれの詳細について解説したいと思います。
er型 比較級
er型の比較級は、形容詞や副詞の音節が1つの単語及び1部の2音節の単語になります。
1音節とか2音節というのは、以下のようなことを言います。
big=1音節
pretty→pret・ty=2音節
さて、話をもう一度〝er型の比較級は、形容詞や副詞の音節が1つの単語及び1部の2音節の単語〟に戻します。
例えば、small=小さい (形容詞) hard=一生懸命に(副詞) などは1音節です。ですから、erを付けて比較級にしていく方向になります。
・smaller=より小さい
・harder=より一生懸命に
また、clever(賢い)やnarrow(狭い)は2音節の単語ですが(一般的に2音節になるとmore型比較級になる。)erを付けて比較級にしていきます。
文法書などの解説を読んでいると、音節の数で説明していますが、大概つづりが5文字未満である場合はer型の比較級になると考えておけば間違いないでしょう。綴りが短ければ、音節は自然に少なくなってしまう為です。実際の例文で見てみましょう。
・This cake is smaller than that cake.(このケーキはあのケーキより小さい)
small=小さい 形容詞 に er を付け比較級にしています。thanの後ろに あのケーキという比較対照が来ています。
・I work harder than him. (私は彼よりも一生懸命に働く)
hard=一生懸命に 副詞 にer を付け比較級にしています。thanの後ろに him という比較する対象が来ています。
このように、than の後ろには比較する対象を置きます。
more型 比較級
・more型の比較級は、形容詞や副詞の音節が2音節以上になる場合です。(ただし、すでに述べたように、2音節でもer型になる場合もあります。)
もし、この説明が分かりにくければ、綴りが6文字以上の形容詞や副詞と考えておくと良いと思います。(一部例外はあります。)綴りが増えると、音節の数が増えるのが一般的だからです。実際の例文で見ていきましょう。
・This picture is more famous than that picture.(この絵はあの絵よりも有名です。)
famous=有名な 形容詞はmoreを使って比較級にしています。thanの後ろにthat picture という比較対象を置いています。
・He drives more carefully than his sister.(彼は彼の妹よりもより注意深く運転します。)
carefully=注意深く 副詞はmoreを使って比較級にしています。thanの後ろにthat picture という比較対象を置いています。
このように、than の後ろには比較する対象を置きます。
比較級 例文 一覧
er型 比較級 例文
1.She is taller than her sister.
(彼女は妹より背が高い。)
2.This road is narrower than the one we took yesterday.
(この道は、昨日通った道よりも狭い。)
3.He runs faster than anyone in his class.
(彼はクラスの誰よりも速く走る。)
4.Today is colder than yesterday.
(今日は昨日より寒い。)
5.My bag is lighter than yours.
(私のカバンはあなたのより軽い。)
6.He arrived earlier than expected.
(彼は予想より早く到着した。)
7.This math problem is easier than the last one.
(この数学の問題は前のより簡単だ。)
8.She smiled brighter than the sun.
(彼女の笑顔は太陽よりも明るく輝いていた。)
more型 比較級 例文
1.This book is more interesting than the last one.
(この本は前の本より面白い。)
2.He is more careful than his brother.
(彼は兄よりも慎重だ。)
3.She speaks more fluently than before.
(彼女は以前より流暢に話す。)
4.I need more information to make a decision.
(決断を下すには、もっと多くの情報が必要だ。)
5.This dress is more expensive than that one.
(このドレスはあれより高い。)
6.He worked more efficiently this time.
(今回は彼はもっと効率的に働いた。)
6.The second movie was more exciting than the first.
(二作目の映画は一作目よりもワクワクした。)
7.She is more confident now than she used to be.
(彼女は以前よりも自信に満ちている。)
8.She is more confident now than she used to be.
(彼女は以前よりも自信に満ちている。)
冒頭の問題解説
さて、冒頭の問題の解説です。
1番「この橋はあの橋より古い。」ですが・・・〝古い=old〟は形容詞で、綴りが短いので er型の比較級を使っていく事になります。This bridge is older than that bridge.になります。
2番「彼は私より早く起きます。」ですが・・・〝早い=early〟は副詞で、綴りが短いので er型の比較級を使っていく事になります。He gets up earlier than me.になります。
3番「彼女の母は彼女より美しい。」ですが・・・〝美しい=beautiful〟は形容詞で、綴りが長いので more型の比較級を使っていく事になります。Her mother is more beautiful than her.
4番「彼は彼の友人よりも流暢にフランス語を話せます。」ですが・・・〝流暢に=fluently〟は副詞で、綴りが長いので more型の比較級を使っていく事になります。He can speak French more fluently than his friend.
重要文法用語おさらい
このページの中で出てきた重要キーワードです。理解が出来ていないと思われるものは、再度説明に戻って確認してみましょう!
・形容詞
・副詞
・1音節・2音節
・er型比較級
・more型比較級
まとめ
比較級を理解するポイントは、どのような品詞を比較級にする事が出来るか?という事、er型とmore型の使い方を理解することになります。
比較級の原則を把握出来たら、実際に英文を作りながら、練習すると段々上手になると思います。